項目4.焦点距離
4.焦点距離
物撮りは望遠側で
物撮りの基本は50㎜以上の焦点距離のレンズで撮ることです。被写体から少し離れた位置からの撮影の方が照明も当てやすく、100㎜(フルフレーム)程度の焦点距離のレンズを使うことが多いです。
これは、広角レンズによる画像のゆがみを防ぐためです。広角レンズはその特性から近くのものは大きく、遠くのものは小さく遠近感がつくように映ります。広角レンズで物をアップで撮るとこの効果が誇張され本来の形とはかけ離れた形に写るからです。
逆に望遠レンズは遠近感が無くなるように写ります。超望遠レンズで撮った飛行場の写真などは飛行機と背景の建物の距離感がわからない感じに写っているのを見たことがあると思います。もしくは、サッカー選手の写真で背景のスタンドの観客が妙に近くに感じる写真など見たことがあると思います。
望遠レンズの圧縮効果といって背景が手前に迫ってくるように写るのが望遠レンズの特徴です。逆に広角レンズは背景がより遠くへ離れているように写ります。これをパースペクティブ効果といいます。
どちらの効果も少なく自然に写るのが標準レンズです。物撮りは標準より少し望遠を使うのが一番撮りやすいチョイスとなります。
APS-Cの入門機でキットレンズは通常18-55㎜などがセットされますがその場合55㎜での望遠端に近いところで撮影するのが一番良いと思われます。
取材で使いやすいレンズ構成は?
一眼入門機を買うときに、まずキットレンズ付きで購入という方が多いと思います。当然APS-Cと仮定して話します。フルフレーム機の方は脳内換算で読んでください。
キットレンズは広角から中望遠までカバーする便利なレンズで、価格も安く抑えられています。まずはこのレンズで取材というのも十分にこなせると思いますが、少し物足りない部分があります。
18-55㎜というのはフルフレーム換算(キヤノンの場合)で28.8-88㎜
と広角28mm、35㎜、標準50㎜、中望遠85㎜の4本の単レンズと同じ画角で撮影できます。
ここで取材撮影で飲食店など店内撮影をするときに28mmだと少し広角が足りないということがよくあります。
また、インタビュー取材などはポートレイト風に背景をぼかして人物をとりたい場合、開放が暗く、ボケが少ないということもあると思います。
では、キットレンズにどんなレンズをプラスすればこの物足りない部分を補えるのか一つの提案としてあげると以下のレンズをお勧めします。
1.10㎜から始まる広角レンズ
2.中望遠単レンズ
1は広角ズームEF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STMがおすすめです。
フルフレーム換算16-28.8㎜の範囲をカバーし価格も比較的抑えられているので室内撮影では十分に威力を発揮します。
手振れ補正がついているので暗いズームレンズのデメリットを解消しています。
2は撒き餌レンズのEF50mm F1.8 STMが最高にコストパフォーマンスの良いレンズといえます。
欲を言えばもう少し望遠側のレンズが欲しいところですが、主に仕事で取材という目的であれば中望遠まであれば十分です。
これ以上の望遠が必要なシチュエーションは、事件などの記事取材で規制線の外から対象を撮影しなければならない場合や、スポーツ競技の取材時など、離れた場所から撮らざるを得ない場合です。
このレンズは開放絞りでボケを生かしポートレート風に人物をとる場合や絞り込んで使えば物撮り、テーブルフォトに最適です。
また開放F値が明るいので夕暮れや夜間でもストロボなしで雰囲気を生かした絵が撮れます。
最初からレンズを選んでそろえるなら、上記の2本に加えて標準域も単レンズで24㎜、28mm、30㎜のいずれかの単レンズにしておくと標準ズームより少し幅の広い撮影表現ができるのでお勧めします。
【購入例】
ボディ:キヤノン EOS kiss
広角:EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM (フルフレーム換算16-28.8mm)
標準:EF28mm F2.8 IS USM(フルフレーム換算44.8㎜)
望遠:EF50mm F1.8 STM(フルフレーム換算80㎜)
この組み合わせが機材総重量も軽くて済み、ほとんどの撮影をカバーできるベストな組み合わせかなと思います。
取材のたびに持ち出しがおっくうになるような重いレンズや重いボディはフットワークを悪くします。
