ウェブデザイナーがフレームワークの中でする仕事その2

前回、このような話もしましたが、今回はもっと具体的に紙媒体との比較でお話をします。

このカテゴリーの読者のペルソナは「イラレは使えるが、本格的にWEBデザインのスキルがなくスキルアップをしたい人」です。

イラレで印刷原稿を入稿するスキルは持っていると仮定しています。

 

例えば、フライヤーの制作依頼があった場合『紙媒体』での作業は以下のようになると思います。

 

  1. 要件定義
  2. ラフ案作成
  3. デザインコンセプトの決定・カラーテーマ決定・特色使用の決定
  4. コピーライティングの選定・決定。文字校校了
  5. 画像ファイルの選定・レイアウト
  6. フォントの選定・レイアウト
  7. 用紙選定
  8. カンプ完成・デザイン校了
  9. 入稿データ作成・アウトライン化
  10. 仮入稿・色見本作成
  11. 色校校了
  12. 本入稿
  13. 成果物搬入

 

この一連の作業も最初はイラストレーターの操作だけではなく、様々な印刷知識が必要だったと思います。

 

それは、印刷物で納品するという決まりの中で必要な知識であり、作業ができなければ仕事ももらえないから必死に勉強したと思います。

私も、最初は「アウトライン化って何?」「特色?」「色校?」の状態でした。

 

ワードプロセッサやプレゼンテーションソフトを使ってプリントアウトするレベルより、はるかに高い知識が必要でした。

最近ではPDF入稿でワードで作ったファイルもPDF化すれば入稿が簡単にできる時代になりました。
しかし、ワードで作る原稿には限界があります。
まともなデザイナーはワードで作ったものをクライアントに納品しません。

 

 

イラストレーターを使えない、もしくはインストールしていないデザイナーもどきはワードあたりで作るしかありません。
それで、仕事が来るならデザイナー業界は甘っちょろいもんです。誰でも参入できます。

 

 

WEBに置き換えます。

 

 

サーバに決められた仕様で納品できる知識のないWEBデザイナーもどきはワードプレスあたりで作るしかありません。
それで、仕事が来るならWEBデザイナー業界は甘っちょろいもんです。誰でも参入できます。

 

 

 

上記の印刷知識を持って、きちんと入稿までできる人をデザイナーもどきではなくグラフィックデザイナーと呼びます。

デプロイサーバで、きちんと動く成果物の納品ができる人をデザイナーもどきではなくWEBデザイナーと呼びます。

今回はLaravelを使って説明していますが、「ZendFramework」、「Codeigniter」、「Cake」、「RubyOnRails」と様々なフレームワークが存在し、それぞれに合わせたファイル構成・仕様で納品できるスキルが必要なのです。

ただし、覚える知識は「サーバの動き」、「フレームワーク・その他のWEBアプリ」の動きの部分だけです。

グラフィックデザイナーが印刷機の型番や設置・保守運営、インクの仕入れから保管、原紙の仕入れから裁断方法の選定・・・など印刷会社の知識が必要ないのと同じで「サーバの動き」の知識だけが必要なのです。

デプロイサーバのハードの選定、インストール知識、各種設定、セキュリティ対策、保守運営管理の知識は不要です。

グラフィックデザイナーが1枚モノの案件ではなく製本での案件を受けたら、「製本方式」や「帳合の知識」、「装丁の知識」が必要になるのと同じで、サーバの動きの知識が必要になるだけのことです。

 

しかし、グラフィックデザイナーの仕事の中でラフの印刷に使うローカルプリンターの色合わせや管理はご自身でするように、開発に使うPCのローカル開発環境の知識はなくてはならないものです。