スープ焚きの流れ

基本のスープ焚きの流れを説明します。

うちの場合、使う骨は「豚頭骨」と「背油」。

げんこつは少し野性味のある味になりますが、豚頭骨はすっきりとしたスープに仕上がります。

45㎝~54㎝くらいの寸胴が適していますが、重いのが嫌だったり、厨房が狭い場合は45㎝で十分です。
材料は豚頭骨15㎏、背油2㎏、臭みけしに料理酒50㏄、香味野菜少々です。
これで50~60杯分のスープが取れます。
50杯で仕上げるとブリックス6.5%前後。60杯で仕上げると5.5%前後に上がります。

 

ここで大切なのは炊き始めの水量ではなく、何キロの骨から何杯分取れるかです。
濃度計で濃度を見ながら仕上げますが、濃度計は絶対ではないということを理解していてください。
ブリックスメーターはあくまで『濃度』を『屈折率』で測っているだけで、味の濃さを測っているわけではありません。過信して使うと痛い目に合います。

昭和の時代はこのスープの出来上がりは職人の勘であたりをとっていたのでしょう。慣れてくると炊きあがりのスープの感じでわかるようになります。メーターはあくまで確認用です。

 

○下処理

しません。(笑)
仕入れた冷凍の豚骨をそのまま寸胴に入れます。
大昔の、屠殺場で廃棄処分になるような骨を仕入れていた時代と異なり、現在は衛生的な工場で丁寧に箱詰めされた豚骨は全く汚れはありません。そのまま使って大丈夫です。

 

○火入れ~灰汁取り

ひたひたになるくらいの水を満たし、火をつけて沸騰を待ちます。
沸騰してくると、灰汁が出てきます。これは骨の周りに残っている『血』や『リンパ液』が固まって浮いてくるものです。
最初は灰色がかった茶色い灰汁がたくさん出ますので、適当にすくって捨てます。
灰汁が白くなり、あまり出なくなって来たら灰汁取りは終了です。あまり細かく気にすることはありません。

 

あれ?臭みのないスープって『丁寧な下処理』や『細かい灰汁取り』が必要なんじゃないの?と思ったあなた。それは、はっきり言ってラーメンを作ったことものないラーメンマニアの勝手な幻想に惑わされているだけです。
よく言う『獣臭』という言葉、それ自体が間違っているのです。
下処理や灰汁取りを全くしなくてもにおいが強いスープにはなりません。

臭いスープのにおいのもとは『〇〇の〇〇』が原因です。

うちのスープは臭みはほとんどありません。
そして出来上がり直後のスープはまるで高級なブイヨンの香りのような香ばしい、おいしそうな香りしかしません。不思議ですよね。

この『○○の○○』を公開すると、日本中のラーメン好きがひっくり返るような内容なので、ここには書けません。

これ以上は講習でお教えします。

 

○下煮込み
沸騰して灰汁取りが一通り終わると、酒、香味野菜、背油を投入します。
そこから4時間ごとごと煮てください。火力はコンロのMAXでお願いします。

こんな感じの泡が立ちます。炊き始めはシュワシュワした泡で全く粘度を持たない感じの泡であることがわかると思います。

 

○骨崩し
四時間ほど煮ると、骨の周りの肉もはがれて、骨の表面が露出してきます。

このように骨の継ぎ目が開いてきます。写真は鼻先の方ですね。
骨からエキスが出て縮んでいるのと思われます。
ここまでなると、やっと骨が割れるようになります。
ここから火力MAXのまま鍋の中で木べらや閻魔棒でつついて骨を崩します。(閻魔棒は後日作り方をUPします)
うまくスープの中でつつかないと飛び散ってやけどしますの気を付けてください。

大体写真の大きさくらいに砕いたら骨崩しは終了です。

 

○仕上げ炊き

崩した後のスープを火力MAXのまま、5分に一回混ぜながら煮詰めます。
崩す前のブリックスはだいたい2%くらいです。
崩して15分もするとブリックスは3%くらいまで上がります。
あたりが出るとスープが台無しですので木べらでなべ底をしっかりなぞるように混ぜてください。(あたりとは焦げ付きのことです)
ここから30分ごとに約0.5%くらいのブリックスが上昇します。

泡がシュワシュワからボコボコとした粘度のある泡に代わっているのがわかりますか?
慣れてくると泡の立ち方で大体の濃度がわかるようになります。

ここまでくると最初の寸胴一杯の水位から、約半分の水位まで減っています。

濃厚な豚骨を目指すなら6.5%、食べやすい濃いけどあっさりを目指すなら5.5%を目安に火を切ります。

 

○スープ上げ

好みの濃度に仕上げたらストレーナーで骨を漉します。

むやみに振り回すと疲れますので、ストレーナーは円を描くようにぐるぐる回しながら漉すと効率よく漉せます。

これで、ざっとですがスープ焚きの基本が終了です。

実は、炊きあがったスープの取り扱いがオペレーションでは重要でなのです。
スープを炊くのははっきり言って誰でもできます。
ここからの扱いでおいしいスープの店になるのか、くさーいスープの店になるかの違いが出てきます。
このスープをどのように扱って実際にお客様に提供するのか。それは講習で。。。